『武士の一分』。見る事を最後まで残していたと言う感じ。
ストーリーの核心には触れませんからご安心を(笑)
ただ撮影の裏ネタくらいは触れるかも。
とにかく真っ白で見たい方は映画見てからこの日記を読んでくださいね^^

期待して見たが。。。その期待を上回る事って少ない。
例えば泣ける映画だと聞かされたり、笑える。。と聞かされて
それを期待して裏切られたり、期待しすぎて冷めてしまうことは?!
今回は。。やはりそれはなかった。期待通り、いやそれ以上だった。『幸せの黄色いハンカチ』『遥かなる山の呼び声』以来、山田洋次監督は好きで、『たそがれ清兵衛』も素晴らしかった。今回もその素晴らしさは変わらない。
涙が何度か溢れた。ラストは溢れて止まらなかった。
男一人が映画館の片隅で泣いてる姿の滑稽な事(苦笑)
気付かれないようにするのが必死だった。
これほどさり気なく夫婦の愛、男女の愛の姿を描けるなんて。
軽い感覚で結ばれ離れていく恋愛が多く、お金の為に体を許せてしまう時代。。。だからこそ尚更、新鮮に美しく輝いて見えるのかも知れない。
庄内藩や会津藩の侍は、”侍たるもの欲をかかない”貧乏を恥じることなく誇りにしてたらしい。。山田監督も答えておられましたが貧しいと言うことは身の回りが清潔と言うこと。そんなつましい生活や、小さな幸せがあった時代。。それが見事に描かれています。つましくも美しい夫婦の生活と愛。それがさり気なく、しかし、見ている内に体の中に沁み込んで来るのです。
撮影もスタッフが一つ一つ丁寧に作ってる事が伺えます。
屋内セットでの撮影が多いので、落ち葉の落ち方一つも本当の
落ち方を再現するためいろんな落ち葉が作られたらしい。
木の揺れも、扇風機ではうるさいからスタッフみんなで木を揺らす工夫したりと。。
剣道をやっていたと言うキムタクの演技と殺陣には驚いた。
あの剣さばき。剣術指導の方も感心したそうです。
彼は物作り、そしてその現場が好きなんだと思う。天性の演技職人なのではと思った。そして妻役の壇れいさんも素敵。『夫婦の一分』と言ってもいい位の夫婦像でした。
女性が見ても感動できると思います。
最後に山田監督の言葉
『戦後の高度成長期で日本の美しい風景や場所が次々に壊され、心安らぐ習慣や人情、文化が捨てられた。。映画を通じて”もう壊すな!そのままにしろ”と訴えてきた。ひたすらに金儲けを追い求めて来たこの戦後60年間に思いっきりブレーキを踏む時期なのだと。。』
今の日本人にかけてるモラルや大切なものそれを思い出させてくれる、そして本当の愛とは愛するって。。胸の中で温かく感じさせてくれる映画でした。
もう一度見に行きたいと思っています。
今年は日本映画の頑張りを感じる年でした。
『手紙』はその後、本も読みましたがやはり映画も素晴らしかったと思っています。
あの映画ももう一度見たいと思ってます。
お金を払っても見る価値のある日本映画が増えてきた。
嬉しい。。^^
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